特に有用と思われるのが、「事業者・労務管理担当の方のQ&A」です。雇用契約に始まり、労働時間・休日・休暇、年次有給休暇、賃金、そして解雇・雇止めに至るまで、よく遭遇しそうな問題に対する答えが用意されています。
全部で88のQ&Aがありますが、中でも興味深い質問と回答を2つご紹介します。
Q.「ブラック企業」と言われないためにどうすればよい?
A. 厚労省においては、「ブラック企業」について定義していないが、一般的な特徴として、①労働者に対し極端な長時間労働やノルマを課す、②賃金不払残業やパワーハラスメントが横行するなど企業全体のコンプライアンス意識が低い、③このような状況下で労働者に対し過度の選別を行う、などと言われている。従って、企業としては、このような問題点が生じないよう、企業全体でコンプライアンス意識を高く持ち、労働条件、就業環境を改善していくことが大切。
Q.労働基準監督官は、予告もなく突然に立入調査(臨検監督)に来ると聞くが本当か?
また、その際にはどのような点に注意すればよいか?
A.労働基準監督官は、労基法、最賃法、安衛法等で定められている労働者の労働条件や安全・健康の確保・改善を図るための各種規定が工場、事業場等で遵守されるよう、必要な立入調査(臨検監督)を行い、法違反が認められた場合には、事業主等に対し文書でその是正を求めることを基本的任務としている。そのためには、事業場のありのままの現状を的確に把握することが重要なため、原則予告することなく事業場に対する立入調査(臨検監督)が行われている。
労働基準監督官の立入調査(臨検監督)の基本的目的は、法違反の責任を追及することではなく、法違反がある場合にはその是正を通じて、より適正な労働環境を作ることにある。
したがって、むやみに警戒する必要はなく、事業場としては労働基準監督官の調査にできる限り協力する姿勢で対応することを基本とすることが適切。立入調査(臨検監督)は法律上の権限に基づいて行われているので、特段の理由もなく立入調査(臨検監督)拒否等を行ってはならない。